【2025年日本のデジタルエージェンシー & コンサルティング市場：標準給与レンジと採用トレンド】

今回は、FMCG・小売・EC業界においてのデジタル関連のポジションに焦点を当てています。

主なデータは、ラグジュアリー・ライフスタイル・アパレルなどの外資系消費財ブランド等が中心です。

2025年の採用活動は前年と比較して、やや落ち着いた一年です。
全体的に求人数は減少しており、また外資系企業では選考プロセスが長引いているケースが多いです。

ただし、バイリンガルのデジタル人材に対する需要は依然として高いです。
なかでも企業の需要が高いポジションは、デジタルマーケティング、EC、CRM等です。

給与においてはCRM、EC、データ分析系の水準に大きな変化はありませんでした。

一方、ソーシャルメディア関連のポジションについては引き続き需要が高いため、給与がやや高めに設定されています。

全体的な給与水準の変化は見られません。

多くのFMCG企業では、ボーナスは基本給の10〜15％程度です。
一方、米系テック企業では、ボーナスやストックオプションを含めると、総支給額が基本給の50〜100％上乗せされることもあります。

場合によってはデジタルマーケティングマネージャーの場合、FMCG企業から米系テック企業へ転職することで、基本給がほぼ倍増するケースも見られます。

ただし、働き方やカルチャーは大きく異なります。また近年では世界的にテック企業において人員削減が続いていることから、ポジションの安定性については留意が必要です。

この1年で、各ポジションに求められるスキルはさらに幅広くなっています。

ECマネージャーは、マーケットプレイス等のB2Cのみならず、自社チャネルのD2C戦略も含めた多岐にわたるスキルが求められます。

またCRMまでを担当するポジションが多いです。

ソーシャルメディア関連のポジションはベンダーとのコミュニケーションだけでなく、インフルエンサーの管理やコンテンツ制作まで業務が広がっています。

また、デジタルマーケティングチームは予算が限られているため、パフォーマンスマーケティングやマーケティングオートメーションを重視する方向に変わりつつあります。

今年の転職希望者はより現実的な判断をしている傾向にあります。

中でも給与アップや安定性、グローバルな経験を重視する声が増えています。

働き方については、ハイブリッド勤務を好む人が増え、フルリモートを希望する人は減っています。

海外への転職意欲は高いままですが、ビザの手続きが複雑なため、実際に移住・転職できるケースは限られています。

⚫︎給与水準の見直し：デジタル関連ポジションは事業成長のコアとなっています。給与水準の見直しにより最適な人材が確保できる可能性があります。

⚫︎明確な役割やキャリアパスの提示：グローバルチームとの関わりやポジションの安定性が重要視されています。

⚫︎柔軟な働き方：現在は週3日程度の出社希望が多く見られます。

⚫︎採用スピードの迅速化：特にバイリンガル✖️デジタル人材は複数のオファーを検討しています

⚫︎エージェンシーから事業会社への転職希望者：クライアントのビジネス成長への貢献度が重要です。個人のパフォーマンスのみならず、売上、コンバージョン、ブランド全体の成長率への影響力が期待されます。

⚫︎テック企業・デジタルプラットフォーム企業への転職希望者：必ずしもすぐに給与が上がるとは限らず、まずは横ばいの給与となるケースも想定しておく必要があります。特に、大規模案件での実務経験や、グローバルなステークホルダーを巻き込んだマネジメント能力を示せると、選考上で有利になります。

⚫︎デジタルマーケティング／EC／ソーシャルメディア領域について：これらの分野では依然として人材不足が続いています。柔軟に新しいトレンドやスキルを習得する意欲がある方にとっては、今後も十分チャンスが見込めます。

2025年の採用マーケットは、全体としてやや落ち着いた状況にあります。しかし、事業会社におけるデジタル関連のポジションは、依然として欠かすことのできない重要な役割を担っています。
給与水準は横ばい、または若干の上昇傾向であるものの、バイリンガル人材の希少価値は今も変わらず高いままです。

採用企業側にとっては柔軟な働き方等マーケットのトレンドを反映しつつ、候補者との丁寧なコミュニケーションが適した人材確保に繋がります。

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