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「効率大国ドイツ、でも役所だけは昭和スタイル?」

ドイツは合理的なシステム…本当に?
今日は、ドイツで生活する中で感じたちょっとした違和感をシェアしたいと思います。
ドイツと日本はよく似ている国だと語られることがあります。その一つが「役所仕事はいまだに紙文化に頼っている」という点です。

 

実際、ドイツで暮らしていると、人々がとても「効率」を大切にしていることを実感します。日常のサービスや仕事の進め方はシンプルでスピード重視。いかに短時間で多くの業務をこなすか、合理性への意識が強く根付いています。
 
ところが、役所に関しては少し不思議なギャップがあります。
紙の書類、対面での手続き、長い待ち時間…。どこか日本の役所と似たような「アナログさ」が残っています。
 
私も春から免許証の書き換えを進めていますが、数か月経ってもまだ完了していません。
面白いことに、役所関連の予約をとると、メールの下部に「Wirklich drucken? Mit über 240 kg Papier pro Kopf im Jahr gehört Deutschland zu den größten Verbrauchern von Papierprodukten weltweit.」という文章が添えられています。
これは「本当に印刷が必要でしょうか?ドイツは一人あたり年間240kg以上の紙を使用している紙の消費大国です。」という忠告です。
 
彼らもマニュアルワークの多さは理解しているおり、多々オンラインへの移行が見受けられるものの、外国人にとってはアクセスや理解のハードルが高い場面が多いのが現実です。

 

ただ、これは日本も同じです。日本の役所や企業も、ペーパーワークや非効率なフローが少なくありません。
 
メールひとつにも丁寧な表現や装飾が求められ、効率というより「相手への気遣い」を優先する文化があります。
その分スピードは落ちますが、顧客体験や安心感につながっています。
 
 
つまり、ドイツは効率性を、日本は丁寧さを重視している。どちらが優れているという話ではなく、それぞれの文化が制度に表れているのだと思います。
外国人として両方を経験することで、その違いをより強く実感しました。

 

組織や制度のデザインは、文化や歴史と切り離せません。
効率と丁寧さ、スピードと安心感。そのバランスをどうとるかは国だけでなく、企業にとっても共通するテーマです。
 
MBAを学ぶ学生、そしてリクルーターとしては、こうした比較から「組織は何に価値を置き、何を優先すべきか?」を改めて考えさせられます。
皆さんの国や地域ではどうでしょうか?効率性と文化的価値を両立できている制度や事例があれば、ぜひ教えてください。

 

現在ドイツでMBAを学び、日本ではリクルーターとして活動する中で、こうした文化のコントラストは大きな学びになっています。
 
私が所属するCogsでは日本国内で40社以上の日系・外資系クライアントと取引をしており、グローバルな企業もあれば、伝統的な企業、その中間にある企業も存在します。
 
この異なる文化にまたがって仕事をすることこそ、リクルートの現場を面白くしている要素だと感じています。
クロスカルチャーな環境で採用や転職活動に携わっている皆さんの会社では、「効率」と「丁寧さ」のバランスをどのように取っているのか、ぜひお聞かせいただければ嬉しいです。
 
 
ちなみに余談ですが、ミュンヘンでは今月、世界的なお祭りオクトーバーフェストが開催されます。
札幌市と姉妹都市を結ぶなど、日本とも深い関わりを持つドイツ。ぜひ一度、美味しいビールやソーセージを味わいながら文化を体感してみてはいかがでしょうか?

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